「速読法」と聞いてあなたが思い浮かべるのは、どんな本ですか?
僕は「眼球のトレーニングをしてとにかく読むスピードを上げていく系の本」がパッと出てきます。
いかにも怪しそうで、どうせセミナーへの勧誘でもするんでしょ?(めっちゃ偏見)と思ってしまうような。。
でもこの本、すこし違和感。
ぱらぱらめくってみてもトレーニングっぽい内容は見当たらないし...
それに、
- 一瞬で人生が変わる??
- アウトプット?
速読とは関連がなさそうなワードが一緒に並べられていることに、逆に興味がそそられてしまいました。
- アウトプットと速読になんの関係があるんだろう?
- 読書法を知りたいだけなのに、一瞬で人生が変わるってどういうこと!?
それら解決するために読んでみることにしました。
速読法に意味はあるのか?
まずは速読法を謳って(うたって)いるはずの本が、速読法を否定することから始まります。
速読法と言ってもいろいろと種類があるらしく、著者が疑問視しているのは「眼球トレーニングなどでスピードアップ系」の速読。
「あれなんの意味があんの??」みたいなことを冷静な口調で述べています。笑
いったい何のために、「本を速く、大量に読む」必要があるのでしょうか?
世の中には「自己成長」「成功哲学」などについて書かれた本が数多く出版されていますが、速読法を身に着け、理解もしない状態でページをめくり続けたところで、それだけでは「変われない」のではないでしょうか。
確かに。。
読むのが速くなったところで、それが何になるんだ?というのは、意外と考えたことのない盲点だったかもしれません。
スピードが上がったところで理解が伴わないなら意味がないし、そもそも「速く読めるようになること自体」が目的になってしまう恐れがあるんじゃないかと。
大事なのは速く読むよりもアウトプット
ここでさっそく登場するのが“アウトプット”です。
本を読み、インプットした情報をアウトプットに結び付けることができれば、その本は、自分の中で脈動を始めます。
速度を上げて読めるようになったところで、内容が頭に入らないのでは意味がない。
でもアウトプットすることができれば、完全に理解したことになる。
なぜなら、自分の頭で理解できていなければ、その情報を自分から発信することはできないから。
つまり、アウトプットを伴わない読書は無駄な行為だということですね。
読書も、迷路に似ています。最初から最後まで全部読んだからといって、本の内容を説明できるとは限りません。
タイトルとかに惹かれてワクワクしながら読んだ本でも、読み終わってから振り返ってみると、
「いい本だった」
こんな程度の記憶しか残っていないこともしばしばあります。
速読をしても理解できずに何度も読むのなら、アウトプットを意識して理解する読み方のほうが効率がいいとも言えます。
アウトプットを前提にインプットをしよう
ただ読んだり聞いたりしただけでは頭に入らないのに、「テストに出るから」とか「人に話さないといけないから」という状況になると、とたんに内容が記憶できるようになったりしますよね。
これが「アウトプットを意識した読書」のパワーです。
具体的な方法としては、「書くこと」「人に話すこと」があります。
「人に話す」というのは少しハードルが高いし機会も少ないでしょうが、「書くこと」なら気軽にできそうですよね。
僕の場合は、「本の紹介」をすることでアウトプットをしています。
人に本の魅力を伝えるためには、要点を整理しなければいけないので、とてもよいアウトプットの場になっています。
具体的な速読のテクニック
アウトプットと速読のどこが結びつくの?とはじめは思いましたが、この本で紹介されている速読法は、「アウトプットを前提として読むうちに、速く読めるようになる」という方法。
つまり「アウトプットと速読のハイブリッド法」です。
具体的にはステップ①~⑤からなり、⑤のアウトプットに向けて、速く情報を読み取るためのコツを①~④で解説しています。
今回は5つのステップの中のいくつかの解説から、気になった2つを選んで紹介します。
目的を明確にしよう
求めるものが曖昧で「何でもいい」「何かが欲しい」と思っている人は、結局何も求めていないことになります。いくら本をよんでも「ああ、そうですか」で終わりです。
目的があるから、求めるものが得られるというのは本当に確信をついた考えですよね。
僕の場合は、「読書習慣を始めるために、まずはプロに読み方を教わろう」という目的があってこの本を読んでいるわけで、ただ「面白そう」という理由で読んでいたとしたら「面白かった」だけの感想で終わってしまったでしょう。
「その本を選んだ理由」をはっきりさせることが速読につながるというのは、意外と思いつかないことですよね。
読書は行動につなげて初めて意味のあるものになる
情報を情報のままで止めない。読書の価値は、行動するかどうかにかかっている。
これもしっかり受け止めるべき言葉です。
僕たちって本当に怠けることが好きな生き物で、何かと楽な方向へと行きがちですよね。
たとえ「人生を変えたい!」というビッグな願望を抱いたとしても、やっぱり楽な方法をとろうとするのが人間です。
例えば「人生を変える方法」という本を読んだだけで「人生が変わる」と思い込んでしまったり、はたまたそれで変わらなかったのを本のせいにしたり..。
「行動」が伴わなければ、なにも変えられないんですよね。
「人生を変える方法」をインプットしたのなら、それを実践して初めて「人生が変わる」かもしれないわけです。
僕も肝に銘じようと思います。
ほかに気になった内容
- 本当に必要な部分は、本全体の2割しかない
- 「中心点」をとらえて、読書スピードを大幅にアップさせる方法
- 校長先生の話がつまらない理由とアウトプットの関係
かわいいイラストと一緒に図解がところどころにあるので、とても分かりやすいです。
まとめ
本当の意味で「その本を読んだ」というのは、アウトプットができるようになることで、そこが一番大切なポイント。
アウトプットをゴールに設定し、それに向けて「上手な読み方」をすることで、結果的に「記憶に残る速読」ができるようになる、という内容の本でした。
アウトプットと速読の相性は最高だったんですね!
「一瞬で人生が変わる!」というキャッチフレーズのとらえ方は人それぞれだと思いますが、僕はあながち間違ってないのかなとも感じました。
「目的を明確に持て!」とか「行動することが絶対条件だ!」というような考えを知らなければ、この先ずっと無駄な読書を続けていたかもしれないですからね...。
それも、「読書は良いことだ!読書してる自分偉い!」みたいに訳の分からない理由で何も考えずに。
そういう意味では、僕の人生はこの本の考えに出会った「一瞬」で正しい方向に向きを変えたのかもしれません。
おわりに
実は以前、トレーニング系の速読の本を買って読んだことがありました。
「数十分なんて速さで一冊を読めたら、どれだけたくさん読めるんだろう...!!」と期待してのことです。
(結局は成果が見えず、続きませんでした。)
そのときの自分には、「本をどう活かそうか」なんて考えは微塵もありませんでした。
「ただ速く読めれば、人よりも人生が充実するだろう!」と。。
まさに典型的な、「目的を見失った怠惰な人間」だったわけです。
でもこの本を読んで、それがいかに愚かな考えだったのかに気づかされました。
速く読まないといけない理由が逆に見当たらなくなってしまいました。
「アウトプット速読法」は、速読のテクニックというよりも「考えを変える」ための本だと思います。
「人生を変えよう!」と意気込んで読書をしているそこのあなた!また、速読トレーニングをこれから本格的に始めようとしてこの記事にたどり着いたそこのあなた!
ぜひこの機会に、本を読むことの本質について考えてみませんか?
コメント