素人からすると、「経営学」ってどこか難しそうというか、エリートがやっているような、そんな疎遠なイメージがあります。
勉強するにも難しそうだし、そもそもどんな本を読めばいいのか分からない。
けど、やったことないから少し興味はある。
そんなとき、タイトルにひかれて手に取ったのが「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」です。
まあいかにもありそうな、波乱万丈なにおいのする本だとは思いましたが。笑
でも実際に読んでみてびっくりしたのは、経営学のお堅いイメージを感じる前に本が終わっていたこと。
マーケティングって、こんな仕組みなんだなぁ…とざっくりですがエッセンスがすんなりと頭に入っていました。
これは面白い!と、紹介せずにはいられなくなりまして。。
ということで、引用を踏まえつつ、内容をピックアップしてご紹介しようと思います。
あなたは毎日マーケティングに参加している
マーケティングというと難しそうに聞こえるかもしれませんが、実はあなたは買い手として毎日マーケティングに参加しています。
なんと!マーケティングについて1から学ぼうとこの本を読み始めたのに、もうすでに、しかも毎日マーケティングをしているというのです!
どういうことかというと、僕たちが毎日当たり前にやっている「何かを買う」という行為
このひとつひとつの選択が、れっきとしたマーケティングなのだそう。
例えば朝食のパンを買おう!というとき。
安くてたくさんあればいいからあそこのスーパーへ行こうかなぁ。
でもちょっとこだわったパンが食べたいから、あのパン屋さんに行こうかなぁ。
いやいや、高級食パンが気になるから、評判の良いあの店に行こうかなぁ。
こんな風に考えている私たちの頭の中では、もうすでにマーケティング戦略の争いがバチバチしてるといいます。
「なぜその店を選ぶのか?」というのは、その店のマーケティング、つまり「売り方」とか「商品のイメージ」とか、そんなものに左右されますよね。
何かを「買う」ということは、その裏側にいる「売り手」のマーケティング戦略を「評価した」ということなのです。
高級食パンをそのお店で買えば、そのお店のマーケティング戦略は「評価された」わけですよね。数あるパン屋の中から「その店」を「あえて」選んだんですから。
つまり、知らず知らずのうちに、私たちもマーケティングに参加していたというわけです。
そうやって考えてみると、売っている会社と対等に取引をしている感じがして、なんだか偉くなったような気がしませんか?笑
売るのは商品ではなく「価値」
もしあなたが果物屋さんだとすると、売っているのは「果物」かもしれません。それでも聞きます。あなたは「果物」を売ってますか?と。
果物屋なら果物を売るのは当然のことだろ!と普通なら思うでしょう。
でも果物屋が提供しているものの本質は、本当に「果物自体」なのでしょうか。
筆者は、お客様が本当に買っているのは「果物がもたらすメリット」だと言います。
例えば「料理しないで食べられる手軽な朝食」のような。
この考えは、なんかマーケティングっぽくてかっこいいですよね!
売っているのは「商品」ではなく、その先にある「価値」だというのです。
なるほど。。
少し理解しにくい人もいるかもしれませんが、例えばこんな状況なら分かるのではないでしょうか。
あなたは、果物屋で果物を選んでいます。
ふと隣の棚を見てみると、そこにはヨーグルトとジャムが売られています。
さて、どうするでしょうか。
もし朝食用に果物を買いに来たのなら、パンに付けようかな、フルーツヨーグルトもいいな、と買ってしまうことも十分にあり得ますよね。
つまり果物そのものを買いに来たのではなく、「シンプルで手軽な朝食」にマッチするもの、そのメリットをもたらしてくれる「価値」を買いに来たのだということが分かると思います。
ちょっと理解は間違っているかもですが、この「価値」に注目するのが大事なマーケティングのひとつです。
果物だけを売ってもいいのですが、裏にある「価値」に気づければ、「求められているもの=ニーズ」が分かるようになります。
そうすれば、果物でなくても「ほしいな!」と思わせられるので、売れるようになるんですよね。
マーケティングって大事なんですね。
客にとっての価値を考えるのは難しい
「お客様の立場で、お客様の価値を考える」ことは、買い手にとっては当たり前であっても、売り手には極めて難しいのです。
買う側として商品を選ぶときは、「こうだったらもっといいのにー」とか「こういう商品も合わせて買いたいんだけどなぁ」ということは感覚で分かりますよね。
こっちはお金を出して買うわけで、ニーズにできるだけ応えてほしいのは当然のことです。
でも「売る側」にまわったとたん、それは一気に難しくなるといいます。
例えば商品の説明をたんたんと並べるカタログなどが典型的な例で、こういうのは「お客様」ではなく「商品」が主語になっているのだそう。
使うのもその価値を得るのも「お客様」なのに、その目線での説明がなければ何も魅力を感じませんよね
しかしまだまだお客様目線でない商品が存在するということは、やっぱり「お客様目線」で考えるのは、そう簡単なことではないということです。
お客様目線は大事
お客様の視点から考えるのが難しい!と言っても、売り上げを伸ばすためにはやるしかありません。
ニーズに応えてこそ、売れる商品になりますからね。
でもそもそも、「お客様目線になって考える」ってすごく曖昧じゃないですか?
人の気持ちになるのがとても難しいように、ただ「お客様のために!」なんて掲げるだけの精神論ではうまくいくとは思えません。
そこでマーケティングの出番です。
何がすごいって、マーケティングではお客様の目線に立つ「具体的な方法」があるんです。
その方法論を最後にご紹介します。
お客様の立場に立つ方法論
1つの方法は、「TPOを考える」ことだと言います。
よく服装なんかで使われる言葉ですよね。
マーケティングにおいても、Time(いつ)、 Place(どこで)、 Occasion(何をするか)を考えることで、客の求める「価値」が分かるのだそう。
例えば「朝や昼、どこでも歩きながらでも、片手で手軽に食事ができる」という目線から考えると、ランチパックのような商品にピンポイントの価値があることがわかりますよね。
このように具体的な場面やターゲットが想定できれば、確かに「求める価値=ニーズ」はおのずと分かってきそうです。
こんなに論理的に「お客様目線」を探し出すことができるなんて、めちゃくちゃすごいことじゃないですか?
マーケティングなんて知らなかったら、客の気持ちを想像するなんていう、「作者の言いたいことを述べよ!」と同じくらい無理難題にしか思えなかったと思います。
今回のまとめ
前半あたりを簡単にご紹介しました。
これだけでも「なるほどー!」ってなりません?笑
おわりに
今回紹介した本:「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」
個人的評価 | ★★★★☆ |
ひとことレビュー |
・知識0からでも問題なく、マーケティングの大切な基礎知識をストーリーを楽しみながら学べる1冊。 ・物語の主人公もマーケティング初心者であり、ありがちな疑問とその答えをきちんと提示してくれる。 ・ストーリーを読むことで体系的に知識が身につくだけでなく、章ごとに解説ページもあるので、整理しながら最後までテンポよく読むことができる。 |
著者 |
佐藤義典 |
出版年 | 2010 |
ページ数 |
221 |
興味深かった内容 |
・なぜターゲットを絞るのが大切なのか |
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